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スパーズの歩む道

昨年7月、解任されたハリー・レドナップの後任としてクラブの監督の座に就いたポルトガル人の青年監督アンドレ・ビラス-ボアス。チェルシーでの挑戦がわずか8ヶ月で失敗に終わった彼を、スパーズは新たな指揮官として迎えた。
名門ポルトを若くしてヨーロッパリーグに導いた手腕。対戦相手のスカウティングに長け、現代的な戦術にも明るい。
加えて端正なルックスに爽やかなイメージ。前任には持ち得ないモノ全てを兼ね備えているかのような理想像。
そんな新指揮官に多くのファンが”スパーズ新時代の幕開け”を期待した事だろう。『これでスパーズは変わる』と。

確かにスパーズは変わった。

1年半後…。2013年12月16日。新時代の旗手と期待された青年監督はクラブを追われた。チャンピオンズリーグ出場権を争う直接的なライバルであるリバプールにホームで0-5と為す術無く惨敗した直後の事だった。

今季のスパーズは概ね低調で不安定な試合内容に終始し、深刻な得点力不足。勝てば1-0の辛勝、負ければ大量失点での惨敗。だが、チームは降格圏に沈んでいたわけではなく、上位との差も少ない。まだシーズンも半ばを迎えたに過ぎず、ほんの数試合の結果如何で上位を伺える位置にいたのだ。それでも、会長のダニエル・レヴィは解任を断行した。

AVBの目指したもの。トッテナム・ホットスパーというクラブが目指したもの。見据えていた新時代への道筋。
それがどういうものだったのか、そして、それがどの程度まで進んでいたのか。ついぞ、見ることがないままの電撃的な解任劇。"長期的なビジョンを持っての改革"を信じた多くのファンの期待は裏切られ、残ったのは過去、スパーズが何度も繰り返してきた拙速で近視眼的な監督交代による混乱。後任のアテも無いままの場当たり的な人事の果てに、新監督に”暫定的に”就任したのは、育成担当のティム・シャーウッド。半ばやけくそにも思える内部昇格だった。

わずか1年半でのAVBの解任。これには賛否両論あろう。

解任反対:クラブ史上最高の勝率を誇り、前年はCL圏には届かなかったものの最後まで可能性を残した。1年目の成績としては申し分なく、今季とてまだ十分に上位を伺える中位。夏にはベイルを放出し、新選手を7名獲得。新たに作りなおしを余儀なくされたチームが成熟するまでに、時間の猶予と多少の忍耐が必要な事を多くのサポーターは理解していたはずだ。今季は種を蒔く年。花開くのは来季以降。クラブが長期的なビジョンでAVBに託したのであれば、当然待たなければいけなかった。わずか1年半で何が出来る?スタイルの転換も、ハリーのスタイルが限界だった故。一段高みを目指すには必要な改革だったはずだ。その改革を実行するビジョンがAVBにはある。


解任賛成:クラブ史上最高の勝率と言っても多くは前任のハリーが築いた土台の上で(もっと突っ込めばベイルの存在あって)成し遂げられたものとも言える。ベイルの放出、夏の補強に至ってもAVBはその意思決定に関与している。時間が必要は言い訳であって、明らかに新選手がフィットしていないのは監督のマネジメントの杜撰さ、柔軟性の無い頑固な戦術採用も一因だという見方も出来る。ショートパスを多用し、丁寧に繋ぎながら崩すスタイルによりダイナミックで縦に速い攻撃は影を潜めた。試合は毎度、退屈極まりない。やられっ放しでやり返す気概も無い、腑抜けたチームになってしまった。こんなフットボールはスパーズらしくない…。


賛否双方の論調は概ねこんなところだろうと想像するが、そのどちらも、ある面では正しく、また正しくない。

『スパーズらしさを取り戻せ』

AVBの解任、シャーウッドの就任。この転換の最中で何度も目にしたであろうこのワード。そして、自問自答もした。
果たして"スパーズらしさ”とは何なのか?改めて考えてみたのだが、これがまた言葉で説明するのが難しい。
トッテナム・ホットスパーの長い歴史に脈々と受け継がれてきたもの。常に攻撃的な姿勢で相手に攻め勝つフットボールスタイル。やられてもやり返す反骨心。"To dare is to do"「挑戦なくして、成功なし」のスローガン。
それらがこの1年半で失われつつあるのでは?と度々感じてはいた。だからこそ、AVB解任にも一定の理解は出来る。

この1年半を見てきた感想としては今後内容が劇的に向上するとは思えなかったのも事実で、残している結果ほどには満足していなかったというのが本音だ。何よりその戦術、チームのスタイル。これが、最後の最後まで心の底で受け入れられなかった。どこか退屈。これに尽きる。一ファンの感想に過ぎないが、自分がスパーズに望んでいたものでは無かった。それでも、このAVB解任には後味の悪さが残る。余りに早い決断にも、その決断の過程に見え隠れする上層部と監督の溝、半ば政治的な思惑にも。どこか諦めにも似た(いや、達観したと言うべきか)既視感すら覚える。

スパーズは変わった。否、本当の意味では変わっていなかったのだ。

またも繰り返されてしまったスパーズの悪しき慣例。長期的なビジョンを掲げながら、余りにも拙速な監督の交代。
これがある限り、スパーズは一段高みへとは登れない。そう感じている。この10年間、現在までスパーズを率いたのは暫定監督を含め延べ9人。ほぼ毎年のように監督の首をすげ替えている計算だ。決して褒められたものじゃない。

個々の監督で事情は違う。どうしても避けられなかったもの、中には結果的に吉と出た判断もあっただろう。
それでもクラブ会長のダニエル・レヴィには一言、物申したい。『こんな事を繰り返すのは馬鹿げている』と。
レヴィのクラブ経営の手腕は大いに買っているし、私は概ねその判断を支持してる立場だ。彼でなければ現在のスパーズは存在しないと言っても過言で無いし、これからも彼の仕事ぶりには大きな、とてつもなく大きな期待をしている。
だからこそ、今回再び繰り返されてしまった、場当たり的とも思える監督交代に失望の念を禁じ得ない。
『未来を見据えた長期的なビジョン』とは、ただのお題目に過ぎないのか。そして、次の監督にその時間は与えられるのか。AVBに託したその時の覚悟は如何程だったのか。結果を残していた前任のハリーを切ったのは適切であり、透明性のある判断の元であったのか。クラブを導く彼には、それらの疑問に答える義務があるはずだ。

いや、最悪自らの言葉で答えなくてもいい。我々は確かに見守っている。今後の彼の監督に対するスタンスを。
そして、確かに覚えている。今回、再び起こった事の顛末を。そして、信じている。スパーズの明るい未来を。
監督が変わってもトッテナム・ホットスパーの歩みは続く。そして、我々はどうあってもついていくしか無い。
それでも、その道筋が正しい方向であるのか否か。こういった事が起こる度、その過程を検証し、声をあげるべきだ。

ちなみに新監督に就任したティム・シャーウッドの任期は2014/15シーズン末までの1年半。トップチームを率いた経験が皆無な青年監督に与えられる時間は思いの外に短い。我々ファンを、そして何より会長のレヴィを納得させる試合内容、結果の両方が求められる難しいタスクだ。半ば、条件付きの1年半。今夏、選択見直しの可能性も未だ残る。
勝負の2014年。今宵の相手は前年王者、マンチェスター・ユナイテッド。新体制にとって、重要な試金石となる。
兎にも角にも気持ちのよい試合を!願うならば、新年の幕開けを華々しく祝う勝ち点3を。COYS!
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Comments
comment ありがとうございます
この記事を見るまではヴィラスボアスの解任に正直納得がいかなくて、スパーズの試合を見ることができていませんでした。でもこうしてゆーやさんがスパーズファンの心境を代弁してくれるような記事を上げてくれたことで、心のつっかえがとれたというか、またスパーズを応援しようかなと思えるようになりました。

つぎはノースロンドンダービー。絶対負けられない戦いですね!
COYS!


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